3億年前にネジ?謎のオーパーツを巡り、太古のエイリアン論者と化石論者が激突

岩石の中にネジらしきものが埋め込まれている物体が発見されたのは1990年代のことだ。その発見以来、世界中から大きな注目を集め、正体を巡って激論が交わされてきた。
ロシアの科学者は、この奇妙な物体はおよそ3億年前のもので、高度な発展を遂げたが滅亡した人類の失われた文明か、あるいは異星人の手によるものと主張する。一方で、海洋生物の化石だとする専門家も存在し、その正体は未だ謎に包まれたままだ。
このネジらしきものをを発見したのは、UFOと超常現象の研究機関コスモポイスクで、ロシア西部のカルーガにおいて隕石の衝突跡地を調査していた際に偶然発見された。
ネジの部分は2cmほどの大きさで、X線調査によって3~3.2億年前のものであることが判明している。また、同機関は石の内部にはもう1つのネジが隠されていると睨んでいるそうだ。
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コスモポイスクはネジの組成について詳細な情報を公開していないため、外部の専門家は写真からその正体を推測するしかない。
これまでのところ、ネジの正体に関する最も有力な説は、太古の海に生息していたウミユリの仲間の化石というものだ。ネジ状の形はウミユリが分解する前に周囲に岩が形成されたことによる、いわばウミユリを転写したものであるそうだ。
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イスラエルで採取されたウミユリの化石。
600数種類あった昔のウミユリはすでに絶滅してしまっているが、姿を変えて現代の海にも生き残っている。獲物を捕らえる5本の腕を備え、そのてっぺんに隠れた口を持つ。発見された化石は、茎の上で成長し、成体になると海底に固着タイプのものだ。数百万年前はごく一般的に見られた種で、数多くの化石が発見されており、中には確かに問題のネジに似たものもある。
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これに対しては、ウミユリの茎は通常ネジよりもはるかに小さいとの反論もある。また、かなり突飛な説としては、ネジの正体は数百万年前に地球で暮らしていた異星人、あるいは高度な技術を有した古代文明の遺物であるという主張が挙げられる。
『UFO調査マニュアル(UFO Investigation Manual)』の著者ナイジェル・ワトソン氏によれば、釘や古代の石に組み込まれた道具など、場違いな遺物がいくつも発見されているそうだ。
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「中には自然が作り上げた物質を勘違いしているだけということもあります。今回のネジの件では、単なるウミユリの化石に過ぎないと主張する懐疑論者と、他の化石とはまるで異なると主張する人たちがいます。…