実在したのか?テネシー大学に展示されているケンタウロスの骨

ケンタウロスとは、人間の上半身と馬の下半身を持ったギリシア神話の生物だ。架空の生き物だが、テネシー大学のジョン・C・ホッジズ・ライブラリーには1994年から「ボロスのケンタウロス」という骨が展示されている。
ケンタウロスは埋葬場所から半分発掘され、部分的に土から骨が露出した形で展示されている。ケースは人造大理石と偽物の木で作られ、「1980年代にアルゴス・オレスティコ考古学協会がギリシア、ボロスから北東に8kmの場所で発掘した、3体のケンタウロスのうちの1体」と説明が添えられている。また、パルテノンのレリーフの写真や、成体のオスのケンタウロスの解剖図も展示される。
これは1980年、芸術家であり、ウィスコンシン・オシュコシュ大学の生物学教授でもあったビル・ウィラーズ氏が、本物の人間の骨とシェトランドポニーの骨から作り上げたものだ。使用された人間の骨は、インドから送られてきた大学所有の解剖学用標本であった。仕上げに、お茶で染色され、本物感が演出されている。
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ボロスのケンタウロスを最初に展示したのはマディソン・アート・センターだ。その後、80年代半ばに他の大学へ渡り、94年まで保管庫で眠っていた。92年、テネシー大学のボーベー・リオンズ氏とニール・グリーンバーグ氏が標本を購入するため、資金集めのキャンペーンを行った。これは功を奏して、94年同大学が引き取ることになった。
人間と動物が混ぜ合わさったケンタウロスのように、この展示品は科学と芸術のミックスである。リオンズ氏によれば、展示品は学生に批判的思考の習得し、それがいかに本物らしくあっても、そして大学のような信頼できそうなソースがあっても簡単に鵜呑みにしないよう諭すことを意図している。
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2008年、ビル・ウィラーズ氏はスカルズ・リミテッド社からケンタウロスの立像作成を請け負い、本物の人間の骨とシマウマの骨から新たなケンタウロスが作成された。この作品は「ティムフィのケンタウロス」と名付けられ、2012年にインターナショナル・ワイルドライフ・ミュージアムで開催された「神話の野生動物」展で公開された。
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via:strangeremains・原文翻訳:hiroching