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Channel: 餌木作人の戯言(薩摩烏賊餌木『弾(だん)』の作者)
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中世宗教画にUFOが描かれている理由とは?

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中世宗教画にUFOが描かれている理由とは?その謎に迫る。



 ヨーロッパで14世紀から18世紀初頭にかけて描かれた絵画には、現代で言うUFOのような謎の飛行物体が描かれているものが多数存在する。

 神を称賛し、キリストの生と死の物語を表現する宗教画が主流だったその時代に、なぜ画家たちはこのような物体を絵の中に取り入れたのだろうか。

[動画を見る]Ancient Aliens Art - We were never alone

 仮に神や天使のモチーフとして配置したとしても、こうした絵画が多数存在する理由は不明だ。宗教画は4世紀にキリスト教に公認されたのを契機に広まり、ヘレニズムやオリエント文化の影響の元で成熟していったと考えられている。そして数世紀の間を経た14世紀に円盤状の光や宇宙船のようなオブジェクトが現れ出した。

 その1つとして、バルカン半島最大の修道院、デチャニ修道院にある『キリストの磔刑』(1350年)がある。キリストの両脇に奇妙な飛行物があり、その中にはパイロットらしき人間もいる。

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『キリストの磔刑』

 ロンドンのナショナル・ギャラリーに展示されている、カルロ・クリヴェリの『聖エミディウスを伴う受胎告知』(1496年作)もそうだ。この絵では円盤型の物体が聖母マリアの頭上にレーザービームを当てているようにも見える。

[画像を見る]
『聖エミディウスを伴う受胎告知』
中世にはUFOが存在していた?

 これらの絵画についてコンピュータ科学者であるジャックス・ヴァレ氏は、当時のキリスト教徒が実際に見た超常現象を、彼らなりに解釈したものかもしれないという見解を述べている。

 「見たことも聞いたことも無い出来事が起こった時、彼らはそれをキリストの物語と関連づけて考えたんです。こうした絵画がエイリアンとの遭遇の証拠であると断言できませんが、なんらかの超常現象を目の当たりにした中世の画家がそれを絵に取り入れたという解釈はできます」

 15世紀に描かれた、『聖母子と幼子聖ヨハネ』には、イエスを見つめる母マリアの背後に、緑色の奇妙な何かが空中に存在している。また、ヴェッキオ宮殿博物館には他にも、崖の端にいる犬飼がドーム型のUFOのようなものを見上げている絵もある。

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聖母子と幼子聖ヨハネ:イタリア、フィレンツェのヴェッキオ宮殿博物館所蔵

 アールト・デ・ヘルデル作『イエスの洗礼』(1710年)では、巨大な円形の物体がキリストに光線を当てている。

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