地元・釣具店のCMで、
「錦江湾は、マダイの宝庫!」と、海面を割って上がって来るシーンが、以前、放映されていたが、そのCMのMC通り、錦江湾(鹿児島湾)は、全国でも有名なマダイの釣り場だ。この時期、取材でも、プライベイトでも訪れる、有名アングラーの方も多いことが実証している。
また錦江湾は、南北に約80キロ、東西に約20キロのやや蛇行した形状をしていて、北から湾奥部、湾中央部、湾口部の3海域に分けられる。平均水深140m、最大水深206mと全国でも類をみない内湾だ。
この時期、この錦江湾に太平洋と東シナ海から、産卵のためマダイが大挙して入ってくる。このマダイのことを、『入りダイ』とか、桜の花が咲く時季なので、『桜ダイ』とか呼んでいる。
このマダイをねらって、友人らが釣行するというので、3月5日(土)に同船させてもらうことにした。午後から天気が崩れるというので、午前中だけの釣行計画となった。夜明け前の5時30分に、友人の船が係留してある谷山港長水路に集合し、夜明けと同時に出港した。
錦江湾には、マダイの有名なポイントが、各地に点在するが、この日は午後から天気が崩れるというので、荒天になっても、港や沖提の内側に避難できる谷山港沖を攻めることにした。
私以外のメンバーは、活きエビを使ったひとつテンヤだが、私はエコギア・オーバルテンヤとアクア スイムシュリンプを使ったルアーでねらうことにした。
桜島の稜線から、朝日が顔を出したのをスタートに、活きエビと疑似餌のバトル開始となった。同船している友人らは、活きのいいエビが手に入らず、冷凍エビも準備していた。
最初に、谷山港長水路を出て、谷山一文字堤防沖の漁礁を攻めることにした。情報によると、湾奥でも良型のマダイが釣れているので、この漁礁にもマダイが付いていることが期待できる。それを裏付けるように、魚探にもすぐに反応があった。ここの水深は50~60mだが、潮が早いので、最初にオーバルテンヤ(L)の10号をセットし、アクア スイムシュリンプは、活きエビと潮の濁りを考慮して、A08(ピンクパールグロウ・夜光)・4.5インチをセットした。
予想通り、潮の流れが速く、それに風が拍車をかけて、着底の感覚がつかみにくかった。私はすぐに、オーバルテンヤをタングステン10号(TG14)に交換すると、ようやくライスラック(糸フケ)などを感じ取ることができた。着底を確認し、ロッドを大きくあおってオーバルテンヤを持ち上げて、ラインテンションをかけたままフォーリングさせたり、フリーフォーリングでフォールさせたり、タイラバのように、スローリトリーブで誘ったり、着底寸前でラインを止めてテンヤを浮かして漂わせたり、また、アクア シュリンプの場合、着底後、そのまま置いているとアタリがある場合も多いので、そのままほっとけメソッドにしたり、いろいろと試してみた。
試行錯誤を繰り返した数投目、着底後、すぐに、『ゴンゴン』とロッドティップを叩いたので、ラインスラックを取り、すぐに合わすと、待望のヒット。そのまま、数回の締め込みをかわして、浮いてきたのは、海面でピンクに輝いたマダイだった。期待していた、大型のマダイでない、小型の40㌢のマダイだったが、ファイトは楽しむことができた。
船中で、最初にマダイをヒットしたのは私だったので、活きエビを使っている友人らは、あせっているのが伝わってきた。
「アタリはあるのに、食い込まない」
「食い気がない」
などと、友人らの会話が船中をこだました。
私は谷山一文字堤防でマダイを1尾、谷山石播堤防で1尾の合計2尾のマダイをランディングすることができた。友人ら3人は、すべてノーフィッシュだった。
その後、風が強くなり、沖提の中に避難したが、納まる気配がないので、この一流しで、今回の釣行を終了した。
友人らの中には、『まだ、大丈夫だ』という意見もあったが、ここは引き返す勇気も大事だと、私と船長の友人とで判断し、後ろ髪を引かれながら帰港した。
今回の活きエビと疑似餌のバトルを制した、ハイブリットテンヤのエコギア TGオーバルテンヤとアクア シュリンプに感謝して、今回の釣行を終了した。
今回のタックル
・ロッド
専用ロッド(6.1~6.9フィート)
・リール
ベイトリール(使用するラインが、150m以上巻けるラインキャパが必要)
・ライン
PEライン0.6号(予備のリールは、大型用に0.8号)
・リーダー
フロロライン3号(FGノットで結束)
・ルアー1
エコギア・オーバルテンヤ(L)・10号+アクア シュリンプ4.5インチ(A08・A19・A20)
・ルアー2
エコギア・TGオーバルテンヤ・10号+アクア シュリンプ4.5インチ(A08・A19・A20)