啓蟄(けいちつ)が過ぎたというのに、朝晩は寒い日が続いている鹿児島だが、早咲きの桜の情報なども届き、着実に季節は春に向かっている。
それを証明するかのように、鹿児島市の眼下に広がる錦江湾には、この時期、産卵のために東シナ海と太平洋から、大挙してマダイが入ってきている。
このマダイを、錦江湾に入ってくるタイなので、『入りダイ』、または桜の花が咲く時期なので、桜の花をイメージして、『桜ダイ』と呼んでいる。
錦江湾ではマダイが余りに有名なので、この時期、マダイに目が向いてしまうが、鹿児島でアラカブと呼んでいる、『カサゴ』も産卵のため、浅場に乗っ込んでくる。市場では、㌔単位にするとマダイよりも値段が高い、高級魚のアラカブだ。
このアラカブをねらって、3月12日(土)に釣行したので報告しよう。当日は午前中に、用事があったので午後からの釣行となった。
この時期、錦江湾では、産卵ため、腹パンパンのアのラカブが、浅場に乗っ込んでくる。近くの港の消波ブロックや港湾施設、地磯などで、手軽にアラカブ釣りができる。錦江湾のアラカブの魚影が濃いのは、各漁協の定期放流に加えて、錦江湾に二箇所ある、海づり公園のイベントごとの放流などに起因していると思う。が、一番は15㌢以下は、リリースするという、アングラーが増えてきたことだと思う。
今回はどこでアラカブをねらおうかと思ったが、久しぶりにJRで行ける、日豊線・重富駅下車、徒歩で約5分で行ける、重富港に行くことにした。
自宅近くの指宿枕崎線慈眼寺駅から、タックルをコンパクトにまとめて、乗車し、鹿児島中央駅で日豊線に乗り換えて、自宅から約40分で重富駅に着いた。そこから歩いて重富港を目指し、午後3時に到着し、すぐにアラカブフィッシングの開始となった。
今回のタックルは、7.6フィートのロックフィッシュ用のスピニングロッドに、これにマッチして2500番のリール、これにPEラインの0.6号、リーダーにフロロライン3号を約60㎝、これをFGノットで結束し、ルアーはエコギア・ジグヘッド(3.5g)に、エコギア・グラスミノーSの各カラーをセットした。
重富港の消波ブロックは、三角形じゃなく、四角(写真参照)なので、安定性があるが、ライフジャケットの着用、消波ブロックの上でも滑り難い、磯靴(デッキシューズ)、もし転倒などした場合、頭部も守るため、帽子の着用なども忘れないで欲しい。
最初に、偏光グラスで、沖に沈んでいる消波ブロックの場所を確認し、その上や際をエコギア・グラスミノーS(111)をセットしたジグヘッドリグのスイミングで攻めると、すぐに黒い影が消波ブロックの穴から飛び出して反転した。次の瞬間、すぐにロッドティップが大きく曲がったので、反射的に合わすと一投目からヒットした。
ゆっくり寄せて来て、フックアップを確認して、そのまま抜き上げると、腹パンパンのメスのアラカブだったので、写真も撮らず、魚体にも触れないで、すぐにリリースした。
アラカブが簡単に、一投目からヒットしたことは、エコギア・グラスミノーの威力もあるが、使用したエコギア・ジグヘッドも、アラカブの硬い口(アゴ)を一発で抜いてフックアップしたナローゲイプタイプのフックに、根掛かりしにくい、食い込み重視の設計が、確実にフックアップするスグレ物だ。この2つの最強アイテムで攻めるので、人気ポイントでナーバスになったアラカブも簡単にヒットする。
沖目をスイミングとフォール、近場の消波ブロックの隙間と穴を、リフト&フォールで攻めると、1時間も経たないうちに、2ケタの釣果となった。腹パンパンのメスは、前途の通り、すぐにリリースし、元気なオスだけ写真を撮ってリリースした。
今回、使用したエコギア・グラスミノーSは、スイミングでは111、162のレッド系に実績があった。ここ重富港には近くに干潟があり、この時期、バチヌケなどがあるので、ゴカイ類のカラーに近い赤系に実績があったのではと思った。リフト&フォールで、消波ブロックの隙間や穴を攻める場合は、288のクリアー系レッドに実績があった。
この釣果に満足して、今回の釣行を終了した。帰りは道路の渋滞を気にせず、JRでのんびりと、車窓眼下に広がる、桜島や錦江湾の風景をみながら帰ることができた。それに加えて、JRでの釣行では、釣果に感謝して、祝杯を挙げることができるのでうれしい。
また、重富港では、毎週日曜日、午後4時から、重富港夕市が開催され、錦海漁協(℡0995-63-2100)に所属する漁協組合員が一本釣りで釣った鮮魚が、安価で販売されるが、売り切れゴメンだ。人気のある夕市なので、早めにお越しください。