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Channel: 餌木作人の戯言(薩摩烏賊餌木『弾(だん)』の作者)
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<ノーベル文学賞>奔放に時代を体現 あこがれの「悪漢」

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<ノーベル文学賞>奔放に時代を体現 あこがれの「悪漢」

2016年10月13日 21時56分 (2016年10月14日 00時15分 更新)
ボブ・ディランさん=2012年7月22日撮影、AP
 ボブ・ディランさんのノーベル賞受賞が決定した。神のようにあこがれられ、魔物のように恐れられる、どちらにせよ手に負えないシンガー・ソングライターが、すべての栄誉を手中にした。

 ディランは反体制運動が世界的に盛り上がった1960年代に登場した。可愛く言えば自由奔放でハックルベリー・フィンのような、欧米社会の理想を体現するやんちゃ坊主。半面、麻薬使用など反社会的な言動で良識派の眉をひそめさせた悪漢の顔も持つ。

 その楽曲には、暗喩に満ちた抽象的な言葉の群れが決めごともなく並ぶ。時に難解で多様な解釈の余地のある歌詞を、多くの若者たちが体感した一方で、時代の最先端にいると信じる自称文化人の不安もあおった。暴れん坊ディランは、社会の不安定さの象徴となった。そしてまさにそのことが、彼を文化の先端に座らせ続けた。

 音楽家としてグラミー賞だけでも10回以上獲得。ピュリツァー賞、アメリカの一般人の最高賞である「大統領自由勲章」、フランスの「レジオン・ドヌール オフィシエ」など持ち切れないほどの賞を手にした。文化の「オフィシエ=将校」はノーベル賞まで戦利品とした。

 枠にはまった権威となることを拒否し続けたディランは、それゆえに権威から評価された。今回の受賞もその流れに位置付けられそうだ。ディランはいつものように「そんなものに興味ない」と言うだろう。その偏屈さこそ、期待通りのディランなのだ。【川崎浩

よしだたくろうさんも、長渕剛さんも影響されたボブディラン、彼の受賞に喜んでいるのは、私だけではないと思います。

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