●生見漁港のチニング
鹿児島市中心部から、産業道路、国道226号線を一路南下し、距離にして約36㎞、車で一時間弱で、今回、釣行した生見(ぬくみ)漁港に到着する。小さな漁港で、各ポイントの水深も浅く、田貫川河口域に隣接した港で、汽水域となる海域もある。そのためか、四季を通して、釣れる魚種が豊富で思わぬ獲物が釣れることもある。
週末や休日も、釣り人が少なく、地元の常連さんといっしょに、楽しい釣りを楽しめる。
この時期、防波堤の先端では、ミズイカ(アオリイカ)、消波ブロック一帯では、アラカブ(カサゴ)が釣れている。
今回は、この生見漁港に、9月3日にチニングで釣行したので報告しよう。
ここ生見漁港は、全体的に水深が浅い、小さな漁港だが、チヌのポイントとしては、漁港に入る際の船道周辺、田貫川河口に実績がある。
最初に防波堤の先端・ポイントAから、船道周辺を攻めることにした。チヌの回遊コースは決まっていて、潮の干満に合わせて、行ったり来たりを繰り返す。自分の身を隠し、エサを捕食できるポイントとしては、この船道は最高のポイントとなる。
最初に、潮通しのいい、先端部にできる潮目にポッパーをキャストして、ねらったがバイトもなかったので、次にメインの船道をねらうことにした。キャストを繰り返すこと、1時間、潮が動き出した時、ポッパーの後ろを『もわっ』と波紋が広がった。
「チヌだ」
と思い、ポーズを取り、チヌにポッパーを食わすチャンスを与えたが、待望のヒットにはつながらなかった。
次にルアーをシンキングミノーにチェンジし、船道のボトムをトレースしたが、ヒットはなかった。
ここでチニングのポッパーテクニックというよりは、ポッパーの基本テクニックを紹介しよう。
・キャストしたら、ラインスラック(糸フケ)を取る。
・ロッドを軽くシャクようにリフトする。『ポコン』と小さなポップ音が出るのが理想的だ。
・次にポッパーが前進した分だけ巻き取り、再びシャクる。
・これを一定のリズムを繰り返して、刻んでいくのが、チニングのキモだ。
・ポッパーが足元まで近付いたら、水面から飛び出さないように、ロッドティップを徐々に下げながらアクションするといい。
・アクションする際、次のアクションまでの間隔が、何秒がいいという決まりはないが、その日のチヌの反応を見ながら、状況に合わせて探って欲しい。
次に、ショートバイトの対策を紹介しよう。
・チヌはルアーの後ろから追尾して捕食するが、動くものを捕らえるのが苦手で下手だ。
・そのため、ショートバイトが多く、ヒットしない。
・せっかく、バイトがあっても、ロッドの弾力でルアーを弾いてしまうことがある。
・ロッドティップは食い込みのいいチニング専用や、ライトゲーム用のロッドがいい。
先端部でヒットがなかったので、次に田貫川の河口へと移動した。
ポッパーをフルキャストして、広範囲を攻めて、チヌの活性を探ってみた。数投すると、ポッパーの後ろに波紋が数回、広がったが、水面を割るようなバイトはなかったので、波紋が広がったポイントに、ペンシルベイトをキャストし、ネチネチとチヌを誘ったが、ポッパー同様、バイトもヒットもなかった。
そこで、シンキングミノーをキャストし、ボトムコンタクトを確認しながら、トレースすると、『根掛かり』と思うようなアタリがあり、次にラインが走った。ロッドを立てて、大きく合わすと待望のヒット。
数回、ロッドティップを曲げるファイトを交わし、水面に浮いてきたのは、30㌢のクロチヌだった。
その後、1時間くらい、このポイントでキャストを繰り返したが、バラシが1尾だけで、追加することができず、今回の釣行を終了した。
最後に、防波堤の釣りだが、ライフジャケットの着用を忘れず、また、
係留されている漁船や係留ロープなどに注意して、生見漁港のチニングを楽しんで欲しい。