台風一過後、宮崎市内も朝夕が涼しくなり、秋の気配を感じるようになってきた。この気候の変化に呼応するかのように、県下各地から釣果が聞かれるようになってきた。まさに、秋の釣りシーズン到来だ。
宮崎県内の釣り情報を新聞の釣り欄やネット、釣具店のHPなどで調べると、各河川の河口でヒラメやシーバス、ハゼ、港湾施設や磯でミズイカ(アオリイカ)、ヒラアジ(メッキ・エバ)、サゴシがヒットしていると確認できた。
この情報の中で、『10月17日、宮崎港でサゴシ、ヒット中』の情報が目に飛び込んできた。そこで、10月20日に、宮崎港に釣行したので報告しよう。
台風一過後、宮崎港一帯で、アジやサッパの回遊があり、それを追ってサゴシ(サワラの当歳漁)の回遊が始まったそうだ。それを証明するかのように、早朝5時30分、平日の夜明け前だというのに、常連さんがサビキ仕掛けで、アジやサッパを釣ろうと準備していた。
ここで今回のターゲットのサゴシについて紹介すると、サワラ(鰆)の当歳漁で、スズキ目・サバ科に属する海水魚の一種。細長い体の大型肉食魚で、食用に漁獲される。
成長するに従ってサゴシ(20~30㌢)、ナギ(40~50㌢)、サワラ(60㌢以上)と呼び、名が変わる出世魚でもある。
産卵期は春から初夏で、何回かに分けて産卵を行うので、群れによって大きさにバラ付きもある。典型的なフィッシュイーターで、稚魚の頃から親と同じような鋭い歯を持ち、自分と同じ大きさの他漁を貧欲に捕食する。
今回、宮崎港に回遊しているサゴシは、20㌢前後がメインなので、タックルもライトタックルで、使用するルアーも、28㌘の小型を使用した。
エサ釣りの方の邪魔にならないように、フェリーターミナル近くの岸壁からキャストを開始した。
キャスト開始と同時に朝日が昇り、それからは朝日に向かってのキャストとなった。
サゴシの回遊が始まると、小魚が飛び跳ねたり、ナブラが立ったりするが、この日は朝マズメのベストタイムなのに、サゴシの回遊がない。それとも群れが小さいのか、広範囲にキャストを繰り返し、アクション、レンジ、ルアーのカラーとチェンジしながら攻めても、アタリはもちろん、バイトすらない。
ここで1時間くらい、キャストをしたが、バイトもないので、次に新別府川の方向に移動した。ここでも最初はメタルジグをキャストしたが、フェリーターミナルのポイントと同様に、アタリはもちろん、バイトもない。
早々に、メタルジグをあきらめて、バイブレーションをセットして、キャストを再開した。
ここでは同じポイントで粘るのではなく、数投してアタリ、バイトがなかったら、少し移動して同じようにキャストを繰り返した。これを繰り返すこと、1時間余り。青空が広がり、朝マズメのベストタイムも終了し、「最後の1投かな?」と思い、スローリトリーブで、ゆっくりとミドルレンジをリーリングさせてくると、待望のヒット。そのまま寄せてくると、海面に浮いてきたのは、小型だが待望のサゴシだった。
完全にフックアップしていたので、そのまま抜き上げた。次の瞬間、岸壁で暴れていた20㌢、アベレージサイズのサゴシの姿があった。すぐに写真を撮って、リリースしたが、キープするのなら、サゴシは身の軟らかい魚で、鮮度が落ちやすいので、完全に血抜きをして、氷に直接当たらないように、新聞紙に包んで持ち帰るといい。
今回はアジやサッパの接岸が少なく、それを追ってサゴシの回遊も少なかったと思う。しかし、大きな群れで回遊してくる魚なので、群れ次第で入れ食いも夢じゃない。
最後に、サゴシは新鮮なら刺身が最高だ。後は焼いても、煮付けても美味しい魚だが、私がお勧めする料理は、「なめろう」だ。
皮を剥いで骨をとり、ネギと生姜と一緒にたたき、味付けは味噌、醤油、酒等でお好みに。粘りが出るくらいグッチョグチョにたたいた方が美味い。身の軟らかいサゴシに合う料理だと思う。ご飯のおかずにも酒の肴にもよし。これを「お茶漬け」にしても美味い。
もちろん、ライフジャケットを着用し、キャストの際は、前後左右に注意し、サゴシフィッシングを楽しんで欲しい。