日本三大砂丘(九十九里浜、鳥取砂丘)のひとつ、吹上浜の南端近くに位置する、江口漁港の近くにある江口蓬莱館(ほうらいかん)前堤防で、シーバスがルアーでヒットしているという情報が届いたので、2月14日に釣行したので報告しよう。
今回、釣行した江口蓬莱館は、東市来町の農林水産業の振興と活性化を図るものとして、平成15年にオープンした。江口漁港に水揚げされた新鮮な魚介類、県内外でも評価の高い無添加で仕上げた、『江口ちりめん』の販売。鮮度そのまま調理されたレストランメニュー、館内の加工施設で加工した塩干物などの加工品、町内の生産農家が丹念込めて育んだ農産物など、どれも訪れるお客様に大変喜ばれて、祝日、週末となると、オープンの9時と同時に、122台入る駐車場も満車となり、長蛇の列ができることも珍しくない。
この江口蓬莱館が人気なのは、新鮮な魚介類、農産物だけではなく、東シナ海を遠くに望み、夕方になると東シナ海に沈む夕日がきれいで、その夕日を見るために、県内外から訪れる方も多い。特に今回釣行した、江口蓬莱館前堤防は、シュチエーションが最高で、ロケーションも含めて、ナンバー1だと思う。
この江口蓬莱館前堤防で、シーバス(セイゴクラス)がヒットしているという地元の釣具店の情報を得たので、2月14日に釣行を計画していたが、寒波の到来で海は大時化だと判断し、この日の釣行を諦めていた。
でも、諦め切れず、地元の釣具店に電話をしてみると、『海は時化て波が高いが、蓬莱館前なら、なんとかキャストができるよ』と話してくれたので夕マズメをねらって釣行することにした。
現地に午後4時に到着し、タックルを準備して堤防の先端まで歩いて行くと、普段なら日曜日なので、東シナ海に沈む夕日を見に来る多くの方で賑わうのだが、この日は風が強く、曇っているので夕日を見に来ている方はいなかった。
先端付近にひとり、男性の方がいたので、『釣り人かな?』と思ったが、タックルがなかったので、『?』と思っていると、その男性から声を掛けてきた。
「釣りですか?」
「ハイ、スズキが釣れるということで、鹿児島市内から来ました」
「釣れているけど、小さいよ。フッコ、セイゴクラスかな?」
「地元の方ですか?」
「江口で漁師やっています。今日は時化て、船を出せなかったので、明日は大丈夫かな?と思い、海を見に来ました」
「どこが、ポイントですか?」
「海が時化ると、小魚は消波ブロックの内側に群れで入ってくるので、スズキは消波ブロックの穴や隙間に身を隠して、通る小魚をねらっているから、ギリギリに投げると釣れるよ」
「あっ、ありがとうございます」
と、会話に続き、お礼を言うと、その漁師の方は片手を上げて帰って行った。
ここで今回のタックルを紹介すると、
・ロッド
シーバスロッド・9.6フィート
・リール
スピニングリール・3500番
・ライン
PEライン0.8号
・リーダー
フロロライン16ポンド
・ルアー
エコギア・BALT4インチ・168、404
・ジグヘッド
エコギア・スイミングテンヤ(25㌘)
・その他
ブレードスピン(ラウンド・シルバー)
『シーバスだ』
と、心の中で叫んで、2投目は根掛かり覚悟で、消波ブロックにタイトにキャストし
た。ミドルレンジをリトリーブしてくると、黒い影が見えて、反転した瞬間、ドラグが悲
鳴を上げた。
『デカイ』と判断して、消波ブロックに逃げ込まれないように、ロッドパワーで消波ブ
ロックから引き離した。 次の瞬間、薄暗くなった帳の中、大きくジャンプして、エラ洗
いをした。
『シーバスだ。デカイ』
判断して、慎重にファイトした。その後の数回のジャンプにロッドを倒したり、寝せた
りして対処して寄せてきたのは、エコゴア・BALT4インチ(168・イワシ)をセットし
た、エコギア・スイミングテンヤ(25㌘)をくわえた59㌢のシーバスだった。
その後、カラーを同じイワシ系の404(CPブルーイワシ)にチェンジしたが、数回
のバイトがあったがヒットはなかった。
ここで辺りが、すっかり暗くなったので、貴重な1尾に満足して、今回の釣行を終了
した。もちろん、ランディングしたシーバスは元気なうちに写真を撮り、再会を約束し
てリリースした。
また、堤防からの釣りだということで、安全面を疎かにしそうだが、ライフジャケット
を着用し、夜間の釣りなのでヘッドランプも忘れないで装備した。ひとりの釣り人の
不注意で、釣り禁止となったらいけないので、必ず安全に考慮して、釣りを楽しんで
欲しい。