●与次郎ヶ浜長水路のアラカブ
台風一過後、目だった釣果が届いていない錦江湾(鹿児島湾)だが、鹿児島市にある与次郎ヶ浜の長水路一帯で、アラカブが顕著に釣れているという情報が届いたので、8月15日に釣行したので報告しよう。
今回、釣行した与次郎ヶ浜だが、私が子供の頃は砂浜が続く遠浅で、松林が続く、白砂青松の景勝地だった。昭和47年に鹿児島で国体が開催された際、埋め立て工事が始まり、野球場、陸上競技場などの運動施設が建設された。 その後は商業施設が建設され、現在ではショッピングモール、シアターホールなどで賑わっている。その海岸線には甲突川河口から、鴨池海づり公園までの約2㌔が護岸され、海側から消波ブロック、防波堤、長水路、防波堤と複合堤防として整備されている。
正面に桜島が見え、朝晩はランニング、ウォーキング、散歩で賑わう、鹿児島市民の憩いの場となっている。また、ここの消波ブロック一帯は、格好の釣り場となり、四季を問わず、釣り物に恵まれて、釣り人の絶えないA級ポイントにもなっている。
この与次郎ヶ浜長水路の消波ブロック一帯は、錦江湾でもアラカブの魚影が濃いことでも有名だ。この一帯がアラカブの魚影の濃い原因として、天然魚に加えて、漁協の定期放流、鴨池海づり公園のイベント放流などで、アラカブの稚魚が放流されていることに起因すると思う。
当日は現地に5時30分に到着し、桜島から昇る朝日を見ながらタックルを準備した。ロックフィッシュ専用のロッドに、バランスを考えてリールをセットした。
今回、使用するルアーは、エコギアのバグアンツ2インチで、これにスイミングでねらう場合は、エコギア・ジグヘッド3.5㌘をセットし、フォールでねらう場合はジグヘット5.3㌘をセットした。バグアンツのカラーは、アラカブに実績のあるグロウ系の019・032・065をセットした。
タックルの準備ができたところで、ライフジャケット、フェルト底の磯靴などを着用し、安全面に気をつけて釣行開始となった。
最初に沖に向けて、キャストを開始し、消波ブロックを舐めるようにスイミング、ボトムバンピングでねらうと、一投目からバイトがあったがヒットしない。次に同じポイントにキャストし、バイトがあったら、ロッドを倒し、ラインを少し送り、食い込むチャンスを与えるとラインが、『ピーン』と張ったので、次の瞬間、ロッドを大きく後方に倒しながら、合わせると待望のヒット。根に持ち込まれないように一気に寄せて来ると、海面を割って15㌢のアラカブが飛び出してきた。このパターンで、同サイズを10尾も追加することができた。
消波ブロックをスイミングでねらう場合は、同じ場所で粘るよりは、2~3投しても、バイトがなかったら、次の消波ブロックへ移動する、ラン&ガンで攻めて、足で釣果を稼いで欲しい。スイミングヒットしたアラカブは、15㌢と小型だったので、すべてリリースし、次に大型を求めて、消波ブロックの隙間や切れ目、穴をねらうことにした。
このようなポイントに生息しているアラカブは、上から落ちてくる物に興味を持っていて、自分のテリトリーに入ると一気にバイトしてくる。次の瞬間、抜き上げるようにして、そのポイントから離さないと持ち込んだり、潜り込んだりしてランディングすることができなくなる。
丁寧に、ひとつひとつ、消波ブロックの隙間や切れ目、穴にフォールしていくと、その数投目、黒い影が走り、ロッドティップが入ったので、すかさず大きく合わせた。このパターンで、20~25㌢の良型アラカブを5尾もゲットすることができた。
今回の釣行で、ここ与次郎ヶ浜長水路のアラカブの魚影の濃さを痛感することになったが、アラカブは成長の遅い魚なので、小型はキープせず、また、必要以上はリリースして、いつまでもここの魚影が耐えないように、釣行される方のマナーを期待して、今回の釣行報告を終了しよう。